FP1級技能士学科(きんざい)になんとか一発合格できました。 🙂
勉強中に起こったことや思ったこと、試験当日の注意点など、これから受検される皆さんに役立つ情報をお伝えします。
また、分野別の得点状況も載せています。
1級学科試験に向けたスケジュールはこちら
1級学科試験で使ったテキストと問題集、勉強方法はこちら
テキスト類のまとめはこちら
1級受検への躊躇と決意(2016年5~6月)
FP2級試験が終わり、元々の目標としていたところは達成です。
ですが、ここまで来ると「(2級の知識が残っているうちに)最後まで取得するほうがお得ではないか。」という小市民なところが顔を出します。
FP1級とCFPを比較してみた
さっそくFP1級とCFPについて、ネットなどで色々な情報を集めてみました。
- FP2級以降の認定資格については以下の2つがあること
「きんざい」の1級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士 学科試験→実技試験のコース
「FP協会」のAFP→CFP→1級FP実技試験のコース - CFPとFP1級が大体同等のレベルであること
- AFPとCFPは資格更新が必要で、資格取得後も恒常的に費用がかかること
- AFPは1か月くらいの通信講座で取得できるが、その後のCFPは6科目それぞれを全て合格しないといけないこと
(ただし、合格した科目はずっと有効。税理士試験に近い感じ。) - きんざいのFP1級は学科試験と実技試験に合格しなければならず、学科試験の合格率は異常に低いこと
- FP1級学科試験は1日で6分野の試験があり、合格ラインに達しなければ、再び6分野の試験となること
- FP1級実技試験は、なぜか「きんざい」と「FP協会」で実施していること
「きんざい」実技試験は、例年2月・6月・10月の3回、面接方式
「FP協会」実技試験は、例年9月の1回のみ、筆記方式 - FP1級は一度取得すれば更新費用は不要なこと
う~ん。わかりにくい。
いろいろと考えた結果、僕の結論としては次のとおりとなりました。
大ざっぱに整理すると、
「FP協会」のCFP取得は、時間もお金もかかるけど一発勝負になりにくい
→社会人向け?
「きんざい」のFP1級取得は、時間もお金も安上がりだけど一発勝負
→記憶力の良い若い人・実務者向け?
FP1級学科試験を受検するには、「2級技能検定合格者で、FP業務に関し1年以上の実務経験を有する者」等の(一社)金融財政事情研究会が定める資格要件があります。(詳しくは、金融財政事情研究会→こちら)
CFPで進めたいはずが…
僕自身を客観的に考えると、今の仕事が直接FPに関係しておらず、10年近く前の経験を頼りにしていることに加えて、記憶力も相当怪しくなっています。
となれば、「AFPを取得して、CFPに向けて毎回2分野ずつ合格していき、1年半でCFP取得する」というのが現実的な選択に思えてきました。
それで早速、妻に相談。
一発勝負のFP1級よりも、こっちのAFP→CFPというのが現実的かなって思うんだけど。
試験が大変みたいでさぁ…
さらに悪いことに、CFPの試験会場や試験日程を調べると、僕の住んでいるところでは受検に向けて宿泊が必要となり、もっと費用がかさむことも判明。
結局、CFPの道は絶たれ、FP1級のいばらの道を目指すことになりました。
悪いことは重なるもので、試験のことを調べたり、妻を説得したりしている間に1か月が過ぎ、一番近いFP1級学科試験日まで3か月あまりとなってました。
さすがに 「あ~ 今回の受検は見送って次回を受けようかな~」と弱気に傾きます。
しかし 「CFPを受けないことで費用が浮くので、直近のFP1級学科を模擬試験感覚で受けてみよう」と気持ちを切り換えて取り組むことにします。
(結果的にこれが功を奏するのですが。)
早速、テキストと問題集を入手して2016年9月の試験に挑戦することにしました。
遅れを巻き返した夏(2016年6~9月)
出だしから遅れをとってしまいましたが、テキストや問題集を調べたところ、6月時点で最新版はまだ出そろっていないことがわかります。
そこで、中古品をネットで注文して勉強を開始します。
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3級・2級に引き続き、早朝5時には起床し、朝の1~2時間は勉強することを目指します。
しかし1級はさすがに問題も難しい。
また、とりかかりも遅くなったため、「これで本当に終わるのかな~」と不安がよぎる中での準備でした。
この期間は飲み会もお付き合い程度に控えて、真面目に学習に取り組みます。
計算問題を中心に、土日や夏休みも使いながら結構頑張りました。
結局、試験日前日までみっちりと学習に充てました。
試験当日(2016/9/11)
さて、いよいよ試験当日。
今回は初めての「きんざい」主催の試験ですので、違った意味で緊張感があります。
といっても試験当日に持って行くものは前回までとほぼ変わりありません。
(実際には身分証を使うことはありませんでした。)
・筆記用具
(シャーペンの予備、マークシート用鉛筆も多めに。消しゴムはよく消えるもの。)
・電卓
・腕時計
・使い慣れた単語帳
・参考書
・間違えた問題を集めたバインダーノート
さらに
・会場の地図(スマホに登録しておいても可)
・ちょっと食べられるアメやチョコ
・お昼に食べるパンと飲み物
また、今回は初の「きんざい」主催の試験ということで、会場が変更になっていました。
妻に車で送ってもらい、(途中のコンビニで昼食を仕入れて)会場に到着。
会場に着いてみて、びっくり。
なんとFP1~3級の試験に加え、DCプランナー試験やら何やら、きんざい関係の試験が全て一つの会場で開催されているではないですか!
受検者数はざっと100人超。FP1級なんて、最後の2~3列に押し込まれています。
(写真はイメージ)
会場の雰囲気に面食らいますが、気を取り直して準備を整えます。
恒例の受検生チェック。といっても会場が大きすぎてあまり周りを見回せません。
FP1級の受検者は、見た範囲で30歳以上しかおらず、2級に比べて実力派ぞろいという感じです。
女性は少なく半分以下という印象。
ただ、僕の前の方にいる女性の電卓が、どうみても薄っぺらいカード電卓なのです。
たしかに、持込条件である「外形寸法がおおむね26cm×18cmの大きさを超えない」というのは問題なくクリアしていますけどね~。
「この電卓で受検するとは。逆にすごい人なのかも。」と変に感心してしまいました。
また、この出来事で緊張が少しほぐれました。 🙂
さて、解答用紙や問題用紙が配布され、監督者の説明が行われるのもいつものとおりです。
しかし会場が広く、異なる試験を同じ会場でやるので説明がややこしい。
特に試験時間や退出可能時間がそれぞれ異なるため、聞いている方も混乱します。
ちなみに全ての試験でもっとも遅く終わるのが、FP1級学科でした。
そんな説明は聞き流しながら、ギリギリまで単語帳やノートに目を通します。
午前の学科試験(基礎編)
いよいよ基礎編の試験開始。
落丁チェックの前に、直前に記憶した苦手内容を問題にカキカキ。
その間もちらっと視野に入る問題のレベルがこれまでとは比べものになりません。
この時点で何となく嫌な予感がしていました。
そして、落丁チェックで全体を見ると「う~ん 難しい」。
それでも受検した以上(受検料を払った以上)、やらなければなりません。
基礎編は4択問題や正誤問題なので、2級までで取り組んできた解答方法で対応します。
①各問題は、問題設定の「適切なもの」「不適切なもの」のどちらを選ぶか確認し、丸で囲む。
②各選択肢に「○×△」をつける。さらにどこが間違いなのかに下線を引く。
○→絶対正しい
×→絶対間違い
△→○×を決められない
③最後まで解いた後、最初の問題からマークシートに転記していく。
④最後に問題集の選択肢とマークシートにずれがないか最終チェックする。
①~④まで終わって、残り大体30分。
多くの問題で自信が持てませんが、これ以上時間をかけたからといってひらめくものでもありません。
改めて自分の前の受検生を見ると、FP1級受検者も3~4割の人数が退出しています。
再度じっくり見直し、僕も残り時間20分くらいで答案を出して退出しました。
いろいろあった昼食時間
昼食時間中について、いろいろあったので書いておきます。
今回も2級の時と同様、食事はホール内で持参したパンと飲み物をとります。
気持ち的には、基礎編の難しさにかなり凹んだ気持ちでの昼食でした。。。
それでも「終わったことは仕方ない。早く退出した分、午後の応用編の復習をしよう」と考え直します。
しかし、他の試験の受検者(特に20代前半の女性の皆さん)が「あの問題難しかったよね~」とか「この問題の解き方どうやるんだっけ」とか元気に話していて、なかなか集中できません。
このため、静かな場所を探して移動していくと、FP1級の参考書を持った人たちがホールの隅の方に固まっています。
「僕と同じ境遇なんだろうなぁ」と思い、その一角で立ったまま資料を読み込むことになりました。
午後の学科試験(応用編)
いよいよ応用編の受検時間です。会場に着席します。
またまた、びっくり。
FP1級の受検者が午前中の7割くらいに減っています。
これを見て、公表されているFP1級の受検者数が申込者数より大幅に少ない理由がわかりました。
午後の応用編を受検しなかった場合には「欠席扱い」になるので、午前の基礎編で心が折れた人は受検者数にも入らないのです。
そう考えると、午前・午後の両方の試験を受けた人のみを対象にして、あの合格率の低さなのですから厳しいですね。
そんな試験に役に立たないことを考えている間に応用編スタートです。
応用編については、以下の流れで解答していきます。
①まず全体をながめ、公式や考え方をざっと整理する。
②先に解いておいた方が良い問題(僕の場合、苦手分野)から解答する。
③記述式の計算問題は、はじめに問題冊子の空いている箇所に下書きして考えをまとめる。
④語句の組み合わせや○×問題もどこが間違っているのか、下線を引いておく。
⑤計算問題はもう一度検算する。(指定されている単位や四捨五入の扱いは入念に)。
この回(2016年9月試験)は従来と大幅に出題傾向が変わり、これまでと比べものにならないくらい応用編が難しくなっていました。
このため①~⑤まで終わった時点で残り10分!
焦りながら、さらに見直します。あっという間に試験終了。
広い会場に残った受検生は数人しかいません。
あまりの難しさに大きなため息をついてたら、試験監督の方から「お疲れ様でした」とねぎらいの言葉をかけられる始末。
「こりゃ、落ちたな」と思いながら、帰宅の途につきます。
あきらめが先立つ模範解答公表
模範解答については、これまでのFP試験同様、当日の17時30分から公表されます。
あまりの難しさに、半分放心状態でパソコンの前に座って公表を待ちます。
いよいよ公表。
基礎編はマークシートなので、すぐに答えが合わせられます。
自己採点で「68点」ですので、まあ、何とか6割をキープしました、
問題は記述式の応用編です。
部分点がどのくらいか予想しづらいこともあり、甘めに採点しても「47点」ほど。
基礎編+応用編で合格ライン「120点」のところ、甘めにつけて「115点」の自己採点結果です。
「あ~ こりゃダメだわ」とその時点で終了。
自分の気持ちを癒やすため、(仲間を求めて)ネットで今回の試験の書き込みを調べます。
ネットの書き込みを見て、自分だけではなかったんだとちょっと安心。
そうした中でも、
この書き込みをした人は色々叩かれていましたが、あえて書き込んだ勇気もスゴイかと。
意外過ぎた結果発表(2016/10/24)
さて、傷心の受検結果から1か月以上が過ぎ、ようやく翌年1月の次の学科試験に向けて勉強を始めていました。
そんな時期に結果発表日がやってきます。
結果は、きんざいホームページから受検番号を入力して確認できます。
はじめから不合格のフラグが立っていたため、職場から帰宅して確認。
パソコンから受検番号を入力したところ、
(↑クリックして拡大↑)
ん?「合格」?
もう一度、入力した受検番号を確認。
なんと、本当に合格しているじゃないですか!
棚ぼたの合格とはいえ、これはラッキーとしか言いようがありません。
ちなみに、この回の合格率は、過去5回しかない10%すら大きく割り込み、過去最低となる「4.84%」を記録。
(合格者265/受検者5,471 )
(午前中で心折れた人を含む)欠席者まで含めると、なんと「3.30%」の合格率です。
(合格者265/申請者8,036 )
何ともハードルが高い受検回となっています。
その要因として、多くの受検者の得点源である「応用編」の傾向が大きく変わったことが影響したのではないでしょうか。
今後に続かないことを祈るばかりです。
その後の試験では従来のレベルに戻り、きんざいの発表では合格率も概ね10%台で推移しています
試験日 | 1級学科 合格率 |
---|---|
2022年5月 | 9.39% |
2022年1月 | 6.67% |
2021年9月 | 13.03% |
2021年5月 | 20.05% |
2021年1月 | 9.95% |
2020年9月 | 15.01% |
2020年5月 | 中止 |
2020年1月 | 11.81% |
2019年9月 | 10.14% |
2019年5月 | 11.77% |
2019年1月 | 8.45% |
2018年9月 | 8.24% |
2018年1月 | 14.52% |
2017年9月 | 10.41% |
2017年1月 | 13.98% |
2016年9月 | 4.84% |
2016年1月 | 12.37% |
2015年9月 | 15.41% |
2015年1月 | 13.09% |
合格通知と得点状況
さて、後日正式に1級学科の結果が届きました。
合計で「131点(65.5%)」で辛うじて合格です。
(↑クリックして拡大↑)
自己採点していたものと実際の得点を照らし合わせると、その差は「16点」になりました。
特に「相続・事業承継」の差が大きく出ています。
基礎編と応用編ごとの点数はわからないのですが、基礎編はマークシートなので自己採点のとおりと考えると、各分野の差は応用編で積み増した点数だと思われます。
合格ポイント編でも書いていますが、記述式の応用編はとにかく採点者にアピールする答案を心がけましょう。
〇 1級学科試験で使ったテキストと問題集、勉強方法はこちら
ということで、落ちたものと思って1月に向けた勉強を始めた矢先の合格で、なんだか拍子抜けしてしまいました。
1級の実技試験は、受検料と受検会場の関係から、来年9月の「FP協会」の試験を受ける予定です。
それまで今度こそ気を抜かないよう、頑張っていこうと思います。
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