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3か月でFP1級学科に合格するには ~合格ポイント編

前回、FP技能士1級学科の合格に向けたスケジュールを紹介しました。
(1級学科合格スケジュール編はこちら

ここからはFP1級学科の合格するための「8つのポイントをご紹介します。

合格にむけた8つのポイント

テキスト1冊+中古問題集2冊+最新版問題集2冊をやりこむべし

まず準備したいのは、テキスト1冊+中古問題集2冊+最新版問題集2冊です。

なお、中古版はあまりに古いと制度改正が多すぎるため、1~2年落ちくらいのものが良いと思います。

1級学科は、例年9月と翌1月に試験があります。(注:2019年から新たに5月試験も設けられました。)

一方、これに対応した最新版のテキストと問題集(特にきんざい発刊の分)は7月くらいまで発売されません。

発売を待ってから取り組もうとすると、9月までの受検期間が実質2か月程度になってしまいます。

これではさすがに時間が足りません。

そこでおススメしたい方法があります。

最新版が販売されるまでは、中古の問題集を手に入れ、計算問題の「応用編」だけで良いので解いておくことです。

その理由としては、次の点があげられます。

・「応用編」は定番問題が多く、何が出題されるかわからない「基本編」より着実に得点できる
・制度改正の影響が比較的少ない
・いろいろな問題に数多く当たることで経験が積める

実際に僕が使ったのが、次のテキストと問題集です。

中古品はネットオークションやネット古書店、Amazonなんかを活用して手に入れましょう。

→ テキスト類のまとめは、こちら

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テキストと問題集を使った具体的な学習方法

学習方法ですが、
中古問題集の「応用編」→最新版のテキストと問題集全般→過去問→誤答見直し
という流れになります。

ここで大切なのは、1級学科においては問題集をメインに、テキストは通読と不明点の確認くらいに考えることです。

テキストに関しては、分量・値段ともリーズナブルなので、きんざいの「合格ターゲット 1級FP特訓テキスト」を使いました。

ですが、これだけでは6分野全体の内容を網羅することはできません。
概ね出題される7~8割程度の内容です。

このため、テキストを読むことに時間をかけるより、問題集で実際に解いてみて、考え方や解答手順に慣れるほうが効率的なのです。

実際の学習方法は、2級の時と同様、テキストや問題集の大事だと思ったところや間違えたところに蛍光ペンを引いたり、気が付いたことや覚えるための語呂合わせを書き留めます
(書き込みで汚した分だけ合格に近づいていきます。)

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ただし、1級になると出版社側でも解答の間違いが多くみられます。

このため、各出版社の正誤表のサイトはちょくちょく見に行ったほうが良いと思います。
(特に、TACの「試験をあてる」は答えが間違っていたため、だいぶ悩むことになりました。)

正誤が出たら、テキストや問題集に赤ペンで修正しておきましょう。

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さらに一歩進んだ問題集の活用

問題集にもどしどし書き込んでいきます。

2級の時にもやっていたのですが、間違えた問題には蛍光ペンで印をつけていくのが良いと思います。

具体的には、

 1回目の間違い:黄 色
2回目の間違い:オレンジ色
3回目の間違い:ピンク色

とだんだん濃い色にしていきます。(下の写真を参照。)

こうすると、問題を見たときに自分が間違いやすいところが視覚的に意識できます。

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2017.6.11追記 ☆グッズの活用☆

ここからはお問い合わせを踏まえて、新たに「グッズの活用」を追加しました。

合格のための小物」で紹介しているグッズをフル活用します。

まずは「バインダーノート」の活用方法です。

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僕の場合は、最後まで「苦手ノート」の問題を繰り返すことで、苦手分野を克服しました。

また、基礎編は暗記物も多くなっています。
同じく小物活用術で紹介している「単語帳」や「ふせん」を使います。

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よかったら記事を参考にしていただき、通勤・通学時間などのスキマ時間を使って効率よく暗記物を抑えてください。

(追記 了)

試験問題をあてるのオマケの活用

今回、僕が使っているTACの試験をあてるシリーズですが、「試験を『あてる』といってるのに全然当たらないじゃないか」という厳しい書評も見られます。

それについては、スケジュール編で少し触れたので、今回はその活用についてです。

まず、「試験をあてる」シリーズは問題用紙が取り外せるため、より本番に近い感じで学習できます。

独学での学習においては、本番の雰囲気を味わえるのもありがたいものです。

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そして、僕にとっては、最初の方に掲載されている「リアルタイム法改正情報」が役に立ちました。

これを試験直前に確認していたら、ちょうどその部分が取り上げられて得点に結びつきました。

ただし、重要度A~Cというのはあまり当てにしないほうが良いです。
(試験に出題されたのもBの項目でした。)

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理解できない言葉や説明はネットで調べるべし

これも2・3級のときと同じ趣旨です。

何度も引っかかるところは、面倒でも一度ネットや本で調べておきましょう。

そして、調べた内容を書き込んだり、わかりやすい図や説明があったら、印刷して直接貼っちゃいましょう!
(詳しくは、FP3級の合格ポイントを参照→こちら

1級になると内容が相当専門的になり、2級の時以上に行政機関(国税庁や厚生労働省など)の資料がメインになります。

表現が硬くて読みづらいのですが、頑張って読み解きましょう。

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答え以外の選択肢にも目を配るべし

答えを選ぶときに、
正しいと思うもの:〇
正しいと思うが自信がないもの:△
間違っていると思うもの:×  を選択肢ごとにつけていきます。

そして、答え合わせの時に、すべての選択肢について、自分の考えと解説が一致しているかを見ていきます。

これで「自分が正しく正解を導き出せたのか」がわかり、「本番で同じ選択肢の内容をひねった問題にも対応できる」のです。

さらに、これを続けていくと、「正しい選択肢」と「ひっかけの選択肢」を見分ける嗅覚みたいなのが身についてきます。

(詳しくは、FP2級の合格ポイントを参照→こちら

暗記物は「語呂合わせ+反復練習」で身につけるべし

これも、2級のときと同趣旨です。

反復練習では、単語帳を活用するのですが、1級になると記載すべき項目が多くなってきます。

そこで、通常の単語帳より少し大きめのものを使っていきましょう。

(詳しくは、FP2級の合格ポイントを参照→こちら

学習は 基礎編:応用編(計算問題)=3:7で臨むべし

「基本編」は四択問題ですが範囲が広く、また、あまり一貫性のある出題傾向も見えないため、やってやってもゴールは見えてきません。

一方、「応用編」は頻繁に出題される定番問題も多かったので、何が出題されるかわからない「基本編」よりは着実に得点できます。

このため、「応用編」へ軸足を置いた対策の方が効果的で、感覚的には基礎編:応用編=3:7くらいの時間と労力で良いと思います。

また、「応用編」の類似問題をたくさん解く意味からも中古問題集の活用は有効です。
(もちろんお金があれば、最新版を幅広くそろえたほうが制度改正の確認の手間はかかりません。)

ただし、僕が受検した2016年9月の「応用編」は、これまであまり見たことのない傾向が散見されました。

おそらく次回1月以降はオーソドックスな形に戻るのではと期待しますが、今後の受検時には過去問だけでなく、新たな制度などへの目配りが必要です。

 実際、その後の試験では従来のレベルに戻り、きんざいの発表では合格率も概ね10%台に戻ってきてます。

試験日 1級学科
合格率
2022年5月 9.39%
2022年1月 6.67%
2021年9月 13.03%
2021年5月 20.05%
2021年1月 9.95%
2020年9月 15.01%
2020年5月 中止
2020年1月 11.81%
2019年9月 10.14%
2019年5月 11.77%
2019年1月 8.45%
2018年9月 8.24%
2018年1月 14.52%
2017年9月 10.41%
2017年1月 13.98%
2016年9月 4.84%
2016年1月 12.37%
2015年9月 15.41%
2015年1月 13.09%

公式はシンプルに覚えるべし

4・5のポイントとも関連しますが、「応用編」に力を入れるということは、各種の公式を覚えなくてはいけません。

特に「金融資産運用」や「相続・事業承継」は、公式が多かったり複雑だったり。

文系だった僕には骨の折れるものでした。

ですが、公式を一つ一つまるごと暗記するのではなく、類似の内容や関連する項目で覚えていくという方法もあります。
(一例として、ROAとROEの関連性から覚える方法を例示します。)

ROA の2指標分解と ROE の3指標分解 

ROAは「Return On Assets」の頭文字なので、R/Aとなる。

2指標分解ということは、R/□ *□/Aであるはず。
だから分母と分子に同じ要素が入る。
この場合、□=売上(Sale)と覚える。

ROA
=R/S *S/A
=売上高純利益率*総資本(資産)回転率 
に分解される。

さらに、ROEも同様に「Return On Equity」の頭文字なので、R/Eとなる。

3指標分解ということは、R/□ *□/■*■/E となる。
はじめの2指標 R/□ *□/■は、ROAの公式に一致。
自動的に、□=売上(Sale)、■=使用総資本(資産)(Asset)となる。

ROE
=R/S *S/A*A/E
=売上高純利益率*総資本(資産)回転率*財務レバレッジ 
に分解される。
 

このほか、

〇シャープレシオ・トレイナーレシオ・インフォメーションレシオをまとめて覚える方法
〇ジェンセンのαで使うCAPMの収益率を簡単に覚える方法
〇老齢基礎年金と老齢厚生年金を共通項目でまとめて整理する方法
〇類似業種比準方式と純資産価額方式と配当還元方式を共通項目でまとめて整理する方法

など、よくよく見ると同じようなことをやっているケースも多いんです。


記憶力が抜群の人は別として、公式は「他に使いまわしできる要素がないか」、「シンプルに覚えられないか」といった視点で見直してみましょう。

 最新の改正や新聞での話題はチェックすべし

1級学科試験では、範囲が非常に広いくせに最新の改正事項の知識もバンバン試されます。(当たり前か。)

前の方でも取り上げましたが、「試験をあてる」シリーズの「リアルタイム法改正情報」が役に立ちました。

ただし、重要度A~Cというのは、あまり当てにしないほうが良いです。
(試験に出題されたのもBの項目でした。)

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また、新聞などに目を通すときに、解説記事に取り上げられるようなネタは、「もしかしたら1級学科の問題になるんじゃないか」という視点で見ていきましょう。
(僕はあまり実践できなかったのですが)

例えば、2016年9月の応用編の問62で取り上げられていた「空き家に係る譲渡所得の特別控除」「相続税の取得費加算の特例」。

これらは新聞で取り上げられていましたし、国土交通省のホームページにはとてもわかりやすい解説が載っていたりしました。
(僕も試験が終わってから気がつきました。 😛 )

生活の中でアンテナを高くして、疑問を持ったらちゃんと調べる。

こんなところから合格への第一歩が始まるんですね。

本番では最後まであきらめず、試験時間を使い切るべし

「基本編」は四択で午後からの試験もあるので、十分に見直したら多少早めに切り上げても良いと思います。

しかし、「応用編」では記述部分を中心に時間をかけて粘ったほうが良い結果につながります。

実際、僕の場合も記述部分で完全に正答できたものは少なかった(7問中1~2問)ので、部分点で相当救われているはずです。

部分点があるということは、「9割 間違ったことを書いても、1割 正しいところがあれば加点される」ということです。

解答を構成する要素の一部がわからなくても、わかっているところを最大限アピールすることが重要になります。

実例をご紹介します。以下は、2016年9月の応用編 問55です。(詳細はきんざいHPを確認ください。)

財務データに基づき、x社の損益分岐点比率を求めなさい。
ただし、変動費は売上原価に等しく、固定費は販売費及び一般管理費に等しいものとする。

解答の手順としては、設問から、①変動費=売上原価=売上高-売上総利益②固定費=販売費及び一般管理費=売上総利益-営業利益③損益分岐点比率=損益分岐点売上高/売上高*100%また、損益分岐点売上高=固定費/{(売上高-変動費)/売上高} となります。

この場合、③の公式がわかっていても、①と②の公式がわからなければ答えまでたどり着けません。
(僕がそうでした。)

そこで、記述式の利点を生かし、解答の冒頭に
損益分岐点比率は、損益分岐点売上高/売上高*100%
=固定費/{(売上高-変動費)/売上高}/売上高*100%となる。

とだけ書いておけば、この人は損益分岐点比率は理解していたんだなと部分点がもらえる可能性があります。

①②がわからなくて潔くあきらめた人には、1点も入らないことになり、大変もったいないです。

1級学科合格のためには、1点ずつの積み重ねです。

皆さんが採点者の立場で答案を見たときに、「この人はここまでは分かっていたんだな~」と思えるような答案づくりを心がけましょう。

1級学科を受検される皆さんへのメッセージ

以上、1級学科試験について(偉そうに)いろいろと書いてきましたが、僕はもう一度受検して合格できる自信はほとんどありません(キッパリ)!

それだけ広範な分野を深く勉強しないといけませんし、出題される問題がどんなものになるか、めぐり合わせにも左右されます。(多分に運の要素が大きいと思います。)

だから、僕のように「どうせ運に左右させるんだから、何回でも受検する気持ちで受けてみよう」と開き直ることも大切なのではないでしょうか。

大変な試験に果敢に挑戦される皆さんの姿勢こそが、何より素晴らしいです。

さあ、あと一息です。
どうか、最後まであきらめず全力を尽くしていただきたいと思います。

皆さんの合格を心よりお祈りしています!

 

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