つみたてNISA初のETF商品
来年から始まる「つみたてNISA」に向けて、これまでインデックス型の投資信託を中心に商品が追加されてきました。
その数は、指定インデックス型110本 アクティブ型15本 計125本!(2017.12.1現在)
ただ、事前にアナウンスされていた「ETF(上場投資信託)」については、これまで1本も設定されてきませんでした。
個人的にも楽天証券「つみたてNISA」に変更完了!で触れたように、なかなかETFが設定されないことに一抹の不安を覚えていたところです。
そこに“大和投資信託”からついにETFの商品追加がなされました。
つみたてNISA対象商品にETFを追加、大和投資信託の「ダイワ上場投信」3本
金融庁は12月1日、つみたてNISA対象商品のリストを更新し、大和証券投資信託委託のETF「ダイワ上場投信」3本を追加した。ETFが採用されたのは初めて。つみたてNISA対象商品は、指定インデックス投信が110本、アクティブ運用投信等が15本、ETFが3本で合計128本になった。
つみたてNISA対象商品に採用された3本のETFは以下の通り。「ダイワ上場投信-日経225」(運用管理費用:税込信託報酬=0.1728%以内)、「ダイワ上場投信-トピックス」(同=0.1188%以内)、「ダイワ上場投信-JPX日経400」(同=0.1944%)。いずれも、販売会社が定める売買手数料(上限税込1.35%)が必要になる。
“モーニングスター社 つみたてNISAニュースより”
金融庁のサイトでも確認できます。
ETFのメリット
ETFは通常の投資信託に比べて、一般的に信託報酬が安い、売却の時に指値で売れるといったメリットがあります。
このため、僕は現行のNISAにおいて基本ETFを中心に運用してきています。
今回の「ダイワ上場信託」では、日経225・TOPIX・JPX日経400の国内インデックスが設定されています。既にETFとして販売されているものがつみたてNISAにも追加されたという位置づけのようです。
今回の ETF3本の信託報酬は、すでにつみたてNISAに登録されている同様のインデックス型投資信託商品に比べると低くなっています。
〇つみたてNISA登録の投資信託とダイワETFの信託報酬(税抜)比較(2017.12.1現在)
既登録の投資信託 | ダイワETF | |
日経225 | 0.17~0.40% | 0.16% |
TOPIX | 0.17~0.50% | 0.11% |
JPX400 | 0.20~0.40% | 0.18% |
しかし、他のETFではさらに低い信託報酬を設定しているものもあるので、今後、つみたてNISAでも新たなETFの追加があるかもしれません。
ETFを使ったつみたてNISAの問題点
ETFでつみたてNISAを行う場合、株式と同様に1単位あたりの価格が固定されているため、実際の購入設定金額と購入単位との調整をどうやって図るのかが問題になります。
おそらく「株式累積投資(るいとう)」などの金額単位で株を購入できる仕組みを使うことになるのでしょうが、この仕組みを設定していない証券会社等がどうするのかやや不透明です。
あとETFは配当金を再投資する仕組みがないため、長期投資の中で信託報酬の安さと配当金の再投資とのバランスをどう考えるか、悩みどころです。
さらに、証券会社等が売買手数料を有料(税込1.35%を上限)に設定するケースも考えられます。(ただしネット証券の多くは現行NISAと同様、手数料無料になると思われますが。)
つみたてNISAにおけるETFの今後
このように、つみたてNISAにおけるETFは、まだまだ多くの不透明さを抱えながらの船出になりそうです。しかしながら、選択肢が増えて様々な競争の中で、サービスの改善や手数料の引き下げが起こることは、投資家にとっては良いことだと思っています。
個人的には、来年からつみたてNISAで運用を開始することにしていますが、まだどの商品(ETFかインデックス型投信か)を決め切れていません。
12月に入ってきましたが、つみたてNISAの主導権争いは、まだしばらく熱い状況が続きそうです。 🙂