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世界不況のカナリア? アメリカ長短金利差

「アメリカ長短金利差」は次の内容でお届けしています。

 金利差のグラフチャートは「10年-3か月もの」と「10年-2年もの」を掲載

 過去記事の要約は 2ページ目に集約

アメリカの「長短金利差」の持つ意味

「短期金利」は1年以内の金利、「長期金利」は1年以上の金利(一般的には10年国債の金利)とされ、長期金利-短期金利の差が「長短金利差」です。

一般的には、長期金利>短期金利なので「長短金利差」はプラスです。

しかし過去に何度かマイナスになったことがあり、その後プラスに転じていく段階で不況が発生しています。

この「アメリカの長短金利差の逆転(=逆イールド)」こそが、アメリカ経済が不況に入る直前に異常を知らせるという説があります。

2020.2のアメリカ長短金利差

世界経済、特に中国・日本の景気にコロナウイルスの流行が影を落としつつあります。

その分析については様々語られていますが、当サイトでは今年も実直に長短金利差を追いかけていくことで景気の先行きを見通していきたいと思います。

本稿では、米国財務省証券の市場利回りを基に、「長期金利」を10年・「短期金利」を3か月として長短金利差を出しています。

さらにその変化を平滑化するため、90日移動平均で処理しています。

また、ご要望のあった「短期金利」を2年もので同様に比較した資料も載せています。

逆イールドの発生と拡大、そして順イールドへ…

長短金利差をめぐっては、2018年12月4日に5年ものが2.79%まで低下し、2年もの2.80%や3年もの2.81%よりも低くなりました。

この逆イールドが起こった日に、NYダウは、前日終値から 799.36ドルの下落を記録しました。

その後も逆イールドの進行は継続し、その範囲が5年もの以外にも拡大。

2019年8月14日には、米国10年債利回りが一時2年国債の利回りを下回ったことをきっかけに、NYダウが800ドル下落する場面もありました。

その後、3カ月~10年ものすべてに逆イールドが発生し、金利差全体が下がってきていました。

ところが、2019年11月以降 逆イールドが解消する形に変化

先月時点では、ほぼ逆イールドが解消してきてましたが、今月に入り再び逆イールドが広がってきています

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これが一過性のものなのか、それとも再び逆イールドになっていく途中にあるのかはわかりませんが、少し特異な動きに見えます。

なお、これまでも何度か指摘してきましたが、不況は「逆イールドが発生した後すぐに発生するものではありません」

むしろ、逆イールドが解消する過程で発生してきているのです。

NYダウやS&P500などは相変わらず過去最高値圏を維持しています。

あまりに総楽観な状況だからこそ、大きな暴落にしっかりと備えることが大切に思えます。

10年-3か月金利差のマイナス幅が縮小

早速、最新の状況です。

2019年7月から「10年-3か月金利差の90日移動平均がマイナス圏に突入」していました。

が、マイナス圏から底をうって反転する動きが継続し、90日移動平均はついにマイナス圏からプラス圏に入ってきています。

(グラフの見方は記事2ページを参照ください。)

【10年-3か月金利差】

〇2020年2月の90日移動平均はマイナス圏→プラス圏へ

〇最新データは、2020.2. 13現在で
 金利差 0.02%
 (対前月比 0.29
 90日移動平均 0.20%(プラス圏)
 (対前月比 +0.08

 

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本稿で取り上げている10年-3か月について、どうなっているかを個別に見ていきます。
短期金利は3カ月ものが 1.59%で、ほぼ一貫して上昇傾向です。
長期金利は10年ものが 1.61%で、これまでの上昇が一服して下がってきています

このため、10年ものー3カ月ものの長短金利差は、個々の動きを見てみると、プラス圏からマイナス圏に向かっているように思われます。

これからプラス圏の定着が本格化するのか、再びマイナス圏になっていくのか、注意深く確認していく必要がありそうです。

参考:2019年長短金利差のアニメ化

2019年の長短金利差の動きを時間軸でわかりやすく見ていただくため、2019.1~12までのグラフをアニメーション化してみました。

特に 右側の2019年1月からの動きをご注目ください。

素人がつくったものなので、カクカクしているのはご容赦ください。

途中で緑の〇が出てきますが、ここからマイナス圏に突入したと思ってください。

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最後の方で、グラフがⅤ字反転しているのが確認できると思います。

10年-2年の金利差はプラス圏

参考として10年-3カ月利回り(黄色)と10年-2年利回り(緑色)を 90日移動平均処理した直近1年間のグラフも掲載します。

なお、10年-2年利回りは、2019年8月14日のNYダウ800ドル下落を引き起こした原因とされています。


2019.5月頃から2つのグラフが交叉していましたが、現在その差がなくなってきています。

本来は、より長期の金利である緑色(2年)の方が短期の金利である黄色(3カ月)より上に来るべきなのですが、その状態に近づいてきています。

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具体の数字を見ていきます。

10年-2年利回り(緑色)の方は、直近のデータでその差が 0.17%。
8/27~29に瞬間マイナス(▲0.03~▲0.04%)となった時期以外は、引き続きプラス圏で推移しています

一方、10年-3月利回り(黄色)は、その差を単日で見ていくと
10/10 ▲0.01%
11/15  0.27%
12/19  0.28%
と急速な回復を見せています

しかしながら、12/31  0.37%をピークに年明け以降下落傾向にあり、途中数度のマイナス入りを経て、2/13 0.02%となっています。

グラフ上では、10年-3月利回り(黄色)のグラフは完全に底打ちしたように見えますが、90日移動平均のため、今後の金利の推移によってはトレンドが変わってくる可能性がありますので注意が必要です。

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長短金利差の逆転の状況については、いよいよ「底打ち→プラス圏に再浮上→不況の発生」というシナリオに入ってくると考えていましたが、最近の金利差低下によってプラス圏の定着の先行きが若干不透明になってきました。

仮にこのままプラス圏に再浮上すると、長短金利差が比較的浅いところで底打ちしており、1989年から1990年にかけての状況に似てくるかと思われます。

ちなみにこの時は、1989.10に長短金利差がプラス圏に再浮上した後、1990.7からアメリカの景気後退期に入っています。

今回に当てはめると、2020.1から9カ月後の2020.10頃が警戒時期になってきます。


僕自身は、この逆イールドの発生を契機として、予防的措置で iDeCoの商品を先進国株式から国内債券にスイッチングしています。

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スイッチングが7月中旬だったため、その後の株価急上昇にはNISAの方でその恩恵に預かっていますが、全体としては引き続き警戒していきたいと思います。

この分析によって、アメリカの景気ひいては世界経済の行方を一歩先に見通せる可能性があると考えています。

今後も定期的にご紹介していきます。

→ 次ページでは長短金利差とグラフの見方を解説

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