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世界不況のカナリア? アメリカ長短金利差

「アメリカ長短金利差」は次の内容でお届けしています。

  • 金利差のグラフチャートは「10年-3か月もの」と「10年-2年もの」を掲載
  • 過去記事の要約は次ページに集約

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アメリカの「長短金利差」の持つ意味

「短期金利」は1年以内の金利、「長期金利」は1年以上の金利(一般的には10年国債の金利)とされ、長期金利-短期金利の差が「長短金利差」です。

一般的には、長期金利>短期金利なので「長短金利差」はプラスです。

しかし過去に何度かマイナスになったことがあり、その後プラスに転じていく段階で不況が発生しています。

この「アメリカの長短金利差の逆転(=逆イールド)」こそが、アメリカ経済が不況に入る直前に異常を知らせるという説があります。

2019.6のアメリカ長短金利差

本稿では、米国財務省証券の市場利回りを基に、「長期金利」を10年・「短期金利」を3か月として長短金利差を出しています。

さらにその変化を平滑化するため、90日移動平均で処理しています。

また、ご要望のあった「短期金利」を2年もので同様に比較した資料も載せています。

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逆イールドの発生と拡大

長短金利差をめぐっては、2018年12月4日に5年ものが2.79%まで低下し、2年もの2.80%や3年もの2.81%よりも低くなりました。

この逆イールドが起こった日に、NYダウは、前日終値から 799.36ドルの下落を記録しました。

あれから約半年を経て、逆イールドの範囲は5年もの以外にも拡大。
最新の2019年6月20日現在では、3カ月~10年ものすべてに逆イールドが拡大しています。

逆イールドの拡大(2019.6)
 ↑クリックで拡大↑

これまでも逆イールドが発生した後すぐに不況になっているわけではありません。
ですが、これほど広範囲にわたって逆イールドの範囲が拡大していることには、警戒しておくべきです。

さらに気になるのは、米中貿易戦争や英のブリグジットなどに比べて、逆イールド拡大が話題にならなくなっていることです。
市場が慣れてきて、警戒が緩みつつあるのではないかと懸念しています。

10年-3か月金利差はかろうじてプラス圏も…

早速、最新の状況です。
(グラフの見方は記事2ページの最後を参照ください。)

【10年-3か月金利差】

〇2019年6月の水準はかろうじてプラス圏
 ただし個別データではマイナス圏に突入する場面も。

〇最新データは、2019.6.20現在で
金利差 ▲0.13%(← マイナス圏!)
 (対前月比 ▲0.07)
90日移動平均 0.05%
 (対前月比 ▲0.09)

長短金利差①(2019.6)

 

 ↑クリックで拡大↑
本稿で取り上げている10年-3か月についてはどうなっているかというと、短期金利はやや下がって3カ月ものが 2.14%です。

一方、長期金利は引き続き下落が加速しており、10年ものが 2.01%まで下がっています。

また、前回お伝えした5/23以降、▲0.03%~▲0.28%の逆イールドが継続しています。
徐々に逆イールドの出現が常態化してきていることに警戒した方が良さそうです。

このような状況を背景に、長短金利差は引き続き下落傾向になると思われます。


90日移動平均でも、直近でその差が0.05%とフラット化が急速に進行しています。
こちらもマイナス圏まであと少しというところまで進んできています。

10年-2年の金利差はプラス圏

なお、参考として10年-3カ月利回り(黄色)と10年-2年利回り(緑色)を 90日移動平均処理した直近1年間のグラフも掲載します。
前回2つのグラフが交叉したとお伝えしましたが、完全に逆転してしまっています。

これは、長期金利の下落傾向の広がりがトレンドして定着してきていることを示唆しています。

長短金利差②(2019.6)
↑クリックで拡大↑

具体の数字を見ていきます。

10年-2年利回り(緑色)の方は、直近のデータでその差が 0.29%と1か月前に比べるとスティープ化(長短金利差の拡大)しています
一方、10年-3月利回り(黄色)は、その差が 0.05%とフラット化(長短金利差の縮小)が加速度的に進んでいます。

このため、その差が逆転している状態が続いているようです。


長短金利差の逆転については、いよいよ警戒レベルに足を踏み入れた感があります。

この分析によって、アメリカの景気ひいては世界経済の行方を一歩先に見通せる可能性があると考えています。

今後も定期的にご紹介していきます。

次ページでは長短金利差とグラフの見方を解説しています。

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