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世界不況のカナリア? アメリカ長短金利差

「アメリカ長短金利差」は次の内容でお届けしています。

 金利差のグラフチャートは「10年-3か月もの」と「10年-2年もの」を掲載

 過去記事の要約は 2ページ目に集約

アメリカの「長短金利差」の持つ意味

「短期金利」は1年以内の金利、「長期金利」は1年以上の金利(一般的には10年国債の金利)とされ、長期金利-短期金利の差が「長短金利差」です。

一般的には、長期金利>短期金利なので「長短金利差」はプラスです。

しかし過去に何度かマイナスになったことがあり、その後プラスに転じていく段階で不況が発生しています。

この「アメリカの長短金利差の逆転(=逆イールド)」こそが、アメリカ経済が不況に入る直前に異常を知らせるという説があります。

2020.3のアメリカ長短金利差

2020年3月は、アメリカの株式市場にとっては、悪夢のような月になりました。

前回「世界経済、特に中国・日本の景気にコロナウイルスの流行が影を落としつつあります。」と書いていましたが、コロナウイルスの拡大やアメリカ・欧州への広がり、そしてWHO(世界保健機関)によるパンデミックの宣言…

これらを悪材料として、過去最高値を更新していたNYダウは一気に急降下。

取引一時停止措置であるサーキットブレーカーが1週間に4回発動されるという異例の事態になりました。

現時点ではこれらの動きは現在進行形ですので、今後どのような展開を見せるのかはわかりません。

しかしながら、当サイトでは愚直に長短金利差を追いかけていくことで景気の先行きを見通していきたいと思います。


本稿では、米国財務省証券の市場利回りを基に、「長期金利」を10年・「短期金利」を3か月として長短金利差を出しています。

さらにその変化を平滑化するため、90日移動平均で処理しています。

また、ご要望のあった「短期金利」を2年もので同様に比較した資料も載せています。

なお、これまでも何度か指摘してきましたが、不況は「逆イールドが発生した後すぐに発生するものではありません」

むしろ、逆イールドが解消する過程で発生してきているのです。

今回、NYダウが過去最大の下落を記録した3月においても逆イールドの解消は進んできています。

 

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10年-3か月金利差のマイナス幅が縮小

さて早速、最新の状況です。

2019年7月から「10年-3か月金利差の90日移動平均がマイナス圏に突入」していました。

その後、マイナス圏から底をうって反転する動きが継続し、90日移動平均はついにマイナス圏からプラス圏に入ってきているのですが…

(グラフの見方は記事2ページを参照ください。)

【10年-3か月金利差】

〇2020年3月の90日移動平均はプラス圏を維持するも上昇は鈍化

〇最新データは、2020.3.12現在で
 金利差 0.55%
 (対前月比 0.53
 90日移動平均 0.18%(プラス圏)
 (対前月比 ▲0.02

 

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グラフの直近の値が水平になっているのが見て取れると思います。
過去の長短金利差には見られなかった現象です。

本稿で取り上げている10年-3か月について、どうなっているかを個別に見ていきます。
短期金利は3カ月ものが 0.33%、長期金利は10年ものが 0.88%で、いずれも大幅に下がっています。
特に10年ものの金利が1%を下回ったのは、データで確認できる1982年以降では、2020年3月5日以降のみとなっています。
これからプラス圏の定着が本格化するのか、再びマイナス圏になっていくのか、注意深く確認していく必要がありそうです。

参考:2019年長短金利差のアニメ化

2019年の長短金利差の動きを時間軸でわかりやすく見ていただくため、2019.1~12までのグラフをアニメーション化してみました。

特に 右側の2019年1月からの動きをご注目ください。

素人がつくったものなので、カクカクしているのはご容赦ください。

途中で緑の〇が出てきますが、ここからマイナス圏に突入したと思ってください。

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最後の方で、グラフがⅤ字反転しているのが確認できると思います。

10年-2年の金利差はプラス圏

参考として10年-3カ月利回り(黄色)と10年-2年利回り(緑色)を 90日移動平均処理した直近1年間のグラフも掲載します。

なお、10年-2年利回りは、2019年8月14日のNYダウ800ドル下落を引き起こした原因とされています。


2019.5月頃から2つのグラフが交叉していましたが、現在その差がなくなってきています。

本来は、より長期の金利である緑色(2年)の方が短期の金利である黄色(3カ月)より上に来るべきで、その方向に進んできていました。

ところが、ちょうど逆転しそうなところで、黄色のグラフが低下傾向に入り、現在はやや乖離が進んでいます。

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具体の数字を見ていきます。

10年-2年利回り(緑色)の方は、直近のデータでその差が 0.38%。
8/27~29に瞬間マイナス(▲0.03~▲0.04%)となった時期以外は、引き続きプラス圏で推移しています

一方、10年-3月利回り(黄色)は、急速な上昇を見せてきました

しかしながら、12/31  0.37%をピークに年明け以降下落傾向にあり、2/18~3/2にはマイナス圏入りしたりもしています。

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長短金利差の逆転の状況については、いよいよ「底打ち→プラス圏に再浮上→不況の発生」というシナリオに入ってくると考えていましたが、最近の金利差低下によってプラス圏の定着の先行きが若干不透明になってきました。

仮にこのままプラス圏に再浮上すると、長短金利差が比較的浅いところで底打ちしており、1989年から1990年にかけての状況に似てくるかと思われます。

ちなみにこの時は、1989.10に長短金利差がプラス圏に再浮上した後、1990.7からアメリカの景気後退期に入っています。

今回に当てはめると、2020.1から9カ月後の2020.10頃が警戒時期になってきます。


僕自身は、この逆イールドの発生を契機として、予防的措置で iDeCoの商品を先進国株式から国内債券にスイッチングしています。

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おかげで今回の大暴落の影響は、最小限で済みました。

長短金利差の分析によって、アメリカの景気ひいては世界経済の行方を一歩先に見通せる可能性があると考えています。

今後も定期的にご紹介していきます。

→ 次ページでは長短金利差とグラフの見方を解説

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