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世界不況のカナリア? アメリカ長短金利差

「アメリカ長短金利差」は次の内容でお届けしています。

  • 金利差のグラフチャートは「10年-3か月もの」と「10年-2年もの」を掲載
  • 過去記事の要約は次ページに集約

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アメリカの「長短金利差」の持つ意味

「短期金利」は1年以内の金利、「長期金利」は1年以上の金利(一般的には10年国債の金利)とされ、長期金利-短期金利の差が「長短金利差」です。

一般的には、長期金利>短期金利なので「長短金利差」はプラスです。

しかし過去に何度かマイナスになったことがあり、その後プラスに転じていく段階で不況が発生しています。

この「アメリカの長短金利差の逆転(=逆イールド)」こそが、アメリカ経済が不況に入る直前に異常を知らせるという説があります。

2019.8のアメリカ長短金利差

本稿では、米国財務省証券の市場利回りを基に、「長期金利」を10年・「短期金利」を3か月として長短金利差を出しています。

さらにその変化を平滑化するため、90日移動平均で処理しています。

また、ご要望のあった「短期金利」を2年もので同様に比較した資料も載せています。

逆イールドの発生と拡大

長短金利差をめぐっては、2018年12月4日に5年ものが2.79%まで低下し、2年もの2.80%や3年もの2.81%よりも低くなりました。

この逆イールドが起こった日に、NYダウは、前日終値から 799.36ドルの下落を記録しています。

あれから半年以上を経過し、逆イールドの範囲は5年もの以外にも拡大。
最新の2019年8月7日現在では、6カ月~10年ものすべてに加えて、20年ものでも逆イールドが拡大しています。

参考:逆イールドの拡大(2019.8)
 ↑クリックで拡大↑

これまでも逆イールドが発生した後すぐに不況になっているわけではありません。
ですが、これほど広範囲にわたって逆イールドの範囲が拡大していることには、警戒しておくべきです。

最近では、NYダウ相場もやや変調が見えつつあり、8/5には767ドルを超える下げが発生しています。

また、米中貿易戦争や英のブリグジットなどに比べて、逆イールド拡大が話題にならなくなっていることも引き続き気がかりです。
市場が慣れてきて、警戒が緩みつつあるのではないかと懸念しています。

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10年-3か月金利差がついにマイナス圏入り!

早速、最新の状況です。
今回、ついに90日移動平均もマイナス圏に突入してきました。
(グラフの見方は記事2ページの最後を参照ください。)

【10年-3か月金利差】

〇2019年8月の90日移動平均はマイナス圏を継続

〇最新データは、2019.8.7現在で
 金利差 ▲0.04%(マイナス圏)
 (対前月比 ▲0.27
 90日移動平均 ▲0.05%(マイナス圏)
 (対前月比 ▲0.04)

 

長短金利差①(2019.8)

 

 ↑クリックで拡大↑
本稿で取り上げている10年-3か月についてはどうなっているかを個別に見ていきます。
短期金利は3カ月ものが 2.02%で、やや下がってきています。
一方、長期金利も10年ものが 1.71%まで下落してきています

このため、10年ものー3カ月ものの長短金利差はその差を縮める時期もありましたが、前回お伝えした5/23以降、7/23を除いて▲0.01%~▲0.32%の幅で逆イールドが継続しています。

その結果、逆イールドが常態化し、90日移動平均でマイナス圏が継続しています。

特に、米連邦準備理事会(FRB)による予防的利下げが7/31に決定された後、10年ものの金利が2%を割り込んでいることが懸念されます。

10年-2年の金利差はプラス圏

なお、参考として10年-3カ月利回り(黄色)と10年-2年利回り(緑色)を 90日移動平均処理した直近1年間のグラフも掲載します。

3か月前から2つのグラフが交叉していますが、現在も同様となっています。
これは、長期金利の下落傾向の広がりがトレンドして定着してきていることを示唆しています。

長短金利差②(2019.8)
↑クリックで拡大↑

具体の数字を見ていきます。

10年-2年利回り(緑色)の方は、直近のデータでその差が 0.12%となっており、先月までのスティープ化(長短金利差の拡大)にブレーキがかかってきています

一方、10年-3月利回り(黄色)は、その差が ▲0.31%とフラット化(長短金利差の縮小)が加速度的に進んでいます。

このため、2つのグラフも逆転している状態が続いているようです。

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長短金利差の逆転については、いよいよ警戒レベルに足を踏み入れた感があります。

僕自身は、この逆イールドの発生を契機として、予防的措置で iDeCoの商品を先進国株式から国内債券にスイッチングしました。

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スイッチングが7月中旬だったことも幸いして、結果的に、8/5に発生した767ドルを超えるNYダウの下げに巻き込まれることもありませんでした。

この分析によって、アメリカの景気ひいては世界経済の行方を一歩先に見通せる可能性があると考えています。

今後も定期的にご紹介していきます。

→ 次ページでは長短金利差とグラフの見方を解説

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