FP資格・資産形成・ヘルスケアなど 生活の質を高める情報をお届け

世界不況のカナリア? アメリカ長短金利差

「アメリカ長短金利差」は次の内容でお届けしています。

 金利差のグラフチャートは「10年-3か月もの」と「10年-2年もの」を掲載

 過去記事の要約は 2ページ目に集約

アメリカの「長短金利差」の持つ意味

「短期金利」は1年以内の金利、「長期金利」は1年以上の金利(一般的には10年国債の金利)とされ、長期金利-短期金利の差が「長短金利差」です。

一般的には、長期金利>短期金利なので「長短金利差」はプラスです。

しかし過去に何度かマイナスになったことがあり、その後プラスに転じていく段階で不況が発生しています。

この「アメリカの長短金利差の逆転(=逆イールド)」こそが、アメリカ経済が不況に入る直前に異常を知らせるという説があります。

2019.11のアメリカ長短金利差

それでは早速見ていきます。

本稿では、米国財務省証券の市場利回りを基に、「長期金利」を10年・「短期金利」を3か月として長短金利差を出しています。

さらにその変化を平滑化するため、90日移動平均で処理しています。

また、ご要望のあった「短期金利」を2年もので同様に比較した資料も載せています。

逆イールドの発生と拡大、ついに…

長短金利差をめぐっては、2018年12月4日に5年ものが2.79%まで低下し、2年もの2.80%や3年もの2.81%よりも低くなりました。

この逆イールドが起こった日に、NYダウは、前日終値から 799.36ドルの下落を記録しています。

その後も逆イールドの進行は継続し、その範囲が5年もの以外にも拡大。

2019年8月14日には、米国10年債利回りが一時2年国債の利回りを下回ったことをきっかけに、NYダウが800ドル下落する場面もありました。

その後、3カ月~10年ものすべてに逆イールドが発生し、金利差全体が下がってきていました。

ところが、2019年11月 ついに逆イールドが解消する形に変化しつつあります。


 ↑クリックで拡大↑

これまでも何度か指摘しましたが、不況は「逆イールドが発生した後すぐに発生するものではありません」

むしろ、逆イールドが解消する過程で発生してきているのです。

現在、NYダウやS&P500などが過去最高値、日経平均も年初来高値となってきています。

それらが、今回の金融バブルの最後の盛り上がりのスタートとならないことを祈るばかりです。

広告

10年-3か月金利差のマイナス幅が縮小

早速、最新の状況です。

2019年7月から「10年-3か月金利差の90日移動平均がマイナス圏に突入」していますが、現在もその傾向は止まっていません。

一方で、マイナス圏から底をうって反転する動きも見えてきています。

(グラフの見方は記事2ページを参照ください。)

【10年-3か月金利差】

〇2019年11月の90日移動平均はマイナス圏を継続
 ただし 10/11以降 急速にプラス圏に転じており、底をうった可能性あり

〇最新データは、2019.11. 6現在で
 金利差 0.25%
 (対前月比 +0.26
 90日移動平均 ▲0.14%(マイナス圏)
 (対前月比 +0.06

 


 ↑クリックで拡大↑

本稿で取り上げている10年-3か月について、どうなっているかを個別に見ていきます。
短期金利は3カ月ものが 1.56%で、ほぼ横ばい傾向です。
一方、長期金利は10年ものが 1.81%で、急速に上昇してます

このため、10年ものー3カ月ものの長短金利差は、8月末から9月初旬までの大幅マイナスからプラス圏に浮上してきています。

これから逆イールドが底をうって、マイナス圏からの脱却が本格化するかを注意深く確認していく必要があります。

長短金利差グラフのアニメ化

なお今回、初めての試みとして、2019.1~11までのグラフをアニメーション化してみました。

これまでの単月のグラフでは、時間軸でどのように変化したかがわかりにくかったためです。

特に 右側の2019年1月からの動きをご注目ください。

素人がつくったものなので、カクカクしているのはご容赦ください。

途中で緑の〇が出てきますが、ここからマイナス圏に突入したと思ってください。

↑クリックで拡大↑

最後の方で、グラフがⅤ字反転しているのが確認できると思います。

仮にこのままプラス圏に再浮上すると、長短金利差が比較的浅いところで底打ちしており、1989年から1990年にかけての状況に似てくるかと思われます。

ちなみにこの時は、1989.10に長短金利差がプラス圏に再浮上した後、1990.7からアメリカの景気後退期に入っています。

広告

 

10年-2年の金利差はプラス圏

参考として10年-3カ月利回り(黄色)と10年-2年利回り(緑色)を 90日移動平均処理した直近1年間のグラフも掲載します。

なお、10年-2年利回りは、2019年8月14日のNYダウ800ドル下落を引き起こした原因とされています。


5か月前から2つのグラフが交叉していますが、現在も同様となっています。


↑クリックで拡大↑

具体の数字を見ていきます。

10年-2年利回り(緑色)の方は、直近のデータでその差が 0.14%。
8/27~29に瞬間マイナス(▲0.03~▲0.04%)となった時期以外はプラス圏で推移しています

一方、10年-3月利回り(黄色)は、その差を単日で見ていくと
10/10 ▲0.01%
10/21  0.13%
10/31  0.15%
11/ 6  0.25% 
となっており、急速な回復を見せています

10年-3月利回り(黄色)のグラフは、90日移動平均でも底打ちの様相を呈しているのが確認できると思います。


長短金利差の逆転については、いよいよ「底打ち→プラス圏に再浮上→不況の発生」というこれまでの歴史を繰り返すのか、要警戒です。

僕自身は、この逆イールドの発生を契機として、予防的措置で iDeCoの商品を先進国株式から国内債券にスイッチングしています。

関連記事

投稿のサマリー 楽天証券にて2017年からiDeCoを開始 これまで一貫して「外国株式 100%」で積立運用 今回これまでの積立分を「国内債券 100%」に変更(スイッチング)、今後の積立配分も同様に これに合わ[…]

スイッチングが7月中旬だったため、その後の株価急上昇にはNISAの方でその恩恵に預かっていますが、全体としては引き続き警戒していきたいと思います。

この分析によって、アメリカの景気ひいては世界経済の行方を一歩先に見通せる可能性があると考えています。

今後も定期的にご紹介していきます。

→ 次ページでは長短金利差とグラフの見方を解説

最新情報をチェックしよう!