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世界不況のカナリア? アメリカ長短金利差

「アメリカ長短金利差」は次の内容でお届けしています。

  • 金利差のグラフチャートは「10年-3か月もの」と「10年-2年もの」を掲載
  • 過去記事の要約は 2ページ目に集約

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アメリカの「長短金利差」の持つ意味

「短期金利」は1年以内の金利、「長期金利」は1年以上の金利(一般的には10年国債の金利)とされ、長期金利-短期金利の差が「長短金利差」です。

一般的には、長期金利>短期金利なので「長短金利差」はプラスです。

しかし過去に何度かマイナスになったことがあり、その後プラスに転じていく段階で不況が発生しています。

この「アメリカの長短金利差の逆転(=逆イールド)」こそが、アメリカ経済が不況に入る直前に異常を知らせるという説があります。

2019.10のアメリカ長短金利差

それでは早速見ていきます。

本稿では、米国財務省証券の市場利回りを基に、「長期金利」を10年・「短期金利」を3か月として長短金利差を出しています。

さらにその変化を平滑化するため、90日移動平均で処理しています。

また、ご要望のあった「短期金利」を2年もので同様に比較した資料も載せています。

逆イールドの発生と拡大

長短金利差をめぐっては、2018年12月4日に5年ものが2.79%まで低下し、2年もの2.80%や3年もの2.81%よりも低くなりました。

この逆イールドが起こった日に、NYダウは、前日終値から 799.36ドルの下落を記録しています。

その後も逆イールドの進行は継続し、その範囲が5年もの以外にも拡大。

2019年8月14日には、米国10年債利回りが一時2年国債の利回りを下回ったことをきっかけに、NYダウが800ドル下落する場面もありました。

最新の2019年10月10日現在では、3カ月~10年ものすべてに逆イールドが発生・継続しています。

さらに金利差全体が下がっていっています。


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これまでも逆イールドが発生した後すぐに不況になっているわけではありません。

ですが、これほど広範囲にわたって逆イールドの範囲が拡大していることには、警戒しておくべきです。

また、米中貿易戦争や英のブリグジットなどに比べて、逆イールド拡大が話題にならなくなっていることも引き続き気がかりです。

市場が慣れてきて、警戒が緩みつつあるのではないかと懸念しています。

 

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10年-3か月金利差のマイナス幅が進行

早速、最新の状況です。

2019年7月から「10年-3か月金利差の90日移動平均がマイナス圏に突入」していますが、現在もその傾向は止まっていません。
(グラフの見方は記事2ページの最後を参照ください。)

【10年-3か月金利差】

〇2019年10月の90日移動平均はマイナス圏を継続

〇最新データは、2019.10.10現在で
 金利差 ▲0.01%(マイナス圏)
 (対前月比 +0.15
 90日移動平均 ▲0.20%(マイナス圏)
 (対前月比 ▲0.01)

 


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本稿で取り上げている10年-3か月について、どうなっているかを個別に見ていきます。
短期金利は3カ月ものが 1.68%で、引き続き下落傾向です。
一方、長期金利は、10年ものが 1.67%とやや上昇してます

このため、10年ものー3カ月ものの長短金利差は、8月末から9月初旬までの大幅マイナスから一服しています。

しかし、逆イールドは常態化し、90日移動平均ではマイナス圏が継続しています。

10年-2年の金利差はプラス圏

参考として10年-3カ月利回り(黄色)と10年-2年利回り(緑色)を 90日移動平均処理した直近1年間のグラフも掲載します。

なお、10年-2年利回りは、2019年8月14日のNYダウ800ドル下落を引き起こした原因とされています。


5か月前から2つのグラフが交叉していますが、現在も同様となっています。

これは、長期金利の下落傾向の広がりがトレンドとして定着してきていることを示唆しています。


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具体の数字を見ていきます。

10年-2年利回り(緑色)の方は、直近のデータでその差が 0.14%。
8/27~29に瞬間マイナス(▲0.03~▲0.04%)となった時期以外はプラス圏で推移しています

一方、10年-3月利回り(黄色)は、その差を単日で見ていくと
10/8 ▲0.18%
10/9 ▲0.10%
10/10 ▲0.01%
となっており、急速な戻りとなっているため、やはり予断は許しません

2つのグラフも逆転している状態が続き、それが拡大しているのは、どうにも不穏です。

 

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長短金利差の逆転については、まだまだ警戒レベルです。

僕自身は、この逆イールドの発生を契機として、予防的措置で iDeCoの商品を先進国株式から国内債券にスイッチングしています。

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スイッチングが7月中旬だったことも幸いして、結果的に、8月に発生したNYダウの下げに巻き込まれることもありませんでした。

その後、株価は急速に値を戻していますが、引き続き警戒していきたいと思います。

この分析によって、アメリカの景気ひいては世界経済の行方を一歩先に見通せる可能性があると考えています。

今後も定期的にご紹介していきます。

→ 次ページでは長短金利差とグラフの見方を解説

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