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40代FPから見た「老後2000万円問題」への対処法

2000万円が不足するケース

まず、①約 2,000 万円が不足するケースです。

必要額の試算は、次の前提で算定します。

 

必要額の算定ベース

・老後の不足額 ▲5.5万円/月
・老後期間 30年
・老後の運用 2%/年

退職までにいくら準備すべきか?

年金現価係数をつかって計算すると、前ページでみたように

5.5万円×12カ月×22.396 ≒ 1,479 万円 となります。

現役時代にどうやって準備するか?

次に、1,479 万円をどうやって準備するかです。

これも取崩と同じく「複利の力」を使います。

すなわち「積立投資」です。

1,479 万円に向けて、次の3つの期間ごとにそれぞれ毎月いくら積み立てていけばいいか算出します。
a) 10年で準備
b) 20年で準備
c) 30年で準備

なお、積立期間の年利は複利で4%と設定します。

減債基金係数をつかって毎月の積立額を計算すると、
a) 1,479 万円×0.083÷12カ月 ≒ 10.3 万円
b) 1,479 万円×0.034÷12カ月 ≒  4.2 万円
c) 1,479 万円×0.018÷12カ月 ≒  2.3 万円

いかがでしょうか?
特に”c”であれば、現実的になってくるのではないでしょうか。

ちなみに、
a) 10年で準備 → 50歳代からの準備
b) 20年で準備 → 40歳代からの準備
c) 30年で準備 → 30歳代からの準備
をイメージしています。

早めに老後資金の準備に入ることがいかに効果的か、お分かりいただけるのではと思います。

1300万円が不足するケース

今度は、②約 1,300 万円が不足するケースです。

必要額の試算は、次の前提で算定します。

必要額の算定ベース

・老後の不足額 ▲5.5万円/月
・老後期間 20年
・老後の運用 2%/年

退職までにいくら準備すべきか?

年金現価係数をつかって計算すると、

5.5万円×12カ月×16.351 ≒ 1,080 万円 となります。

現役時代にどうやって準備するか?

次に、1,080 万円を「積立投資」で準備します。

1,080 万円に向けて、次の3つの期間ごとにそれぞれ毎月いくら積み立てていけばいいか算出します。
a) 10年で準備
b) 20年で準備
c) 30年で準備

なお、積立期間の年利は複利で4%と設定します。

減債基金係数をつかって毎月の積立額を計算すると次のとおりです。
a) 1,080 万円×0.083÷12カ月 ≒  7.5 万円
b) 1,080 万円×0.034÷12カ月 ≒  3.1 万円
c) 1,080 万円×0.018÷12カ月 ≒  1.7 万円

1600万円が不足するケース

ここからは、2018年家計調査に基づき、毎月の不足額を▲4.4万円として③と④を試算していきます。

まず、③約 1,600 万円が不足するケースです。

必要額の試算は、次の前提で算定します。

必要額の算定ベース

・老後の不足額 ▲4.4万円/月
・老後期間 30年
・老後の運用 2%/年

退職までにいくら準備すべきか?

年金現価係数をつかって計算すると、

4.4万円×12カ月×22.396 ≒ 1,183 万円 となります。

現役時代にどうやって準備するか?

次に、1,183 万円を「積立投資」で準備します。

1,183 万円に向けて、次の3つの期間ごとにそれぞれ毎月いくら積み立てていけばいいか算出します。
a) 10年で準備
b) 20年で準備
c) 30年で準備

なお、積立期間の年利は複利で4%と設定します。

減債基金係数をつかって毎月の積立額を計算すると次のとおりです。
a) 1,183 万円×0.083÷12カ月 ≒  8.2 万円
b) 1,183 万円×0.034÷12カ月 ≒  3.4 万円
c) 1,183 万円×0.018÷12カ月 ≒  1.8 万円

1100万円が不足するケース

今度は、④約 1,100 万円が不足するケースです。

必要額の試算は、次の前提で算定します。

必要額の算定ベース

・老後の不足額 ▲4.4万円/月
・老後期間 20年
・老後の運用 2%/年

退職までにいくら準備すべきか?

年金現価係数をつかって計算すると、

4.4万円×12カ月×16.351 ≒ 864 万円 となります。

現役時代にどうやって準備するか?

次に、864 万円を「積立投資」で準備します。

864 万円に向けて、次の3つの期間ごとにそれぞれ毎月いくら積み立てていけばいいか算出します。
a) 10年で準備
b) 20年で準備
c) 30年で準備

なお、積立期間の年利は複利で4%と設定します。

減債基金係数をつかって毎月の積立額を計算すると次のとおりです。
a) 864 万円×0.083÷12カ月 ≒  6.0 万円
b) 864 万円×0.034÷12カ月 ≒  2.5 万円
c) 864 万円×0.018÷12カ月 ≒  1.3 万円

 

次ページで まとめと結論

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