スイッチングの基礎知識
まず、iDeCoのスイッチングについて、正しく理解しましょう。
スイッチングとは「加入者がiDeCoの年金資産として運用している商品を変更するため、保有商品を売却して、別の商品を購入する運用指図」になります。
楽天証券における注意点としては、次のような点が挙げられます。
- 楽天証券だけでiDeCoのサービス提供が完結しないこと
(日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジー株式会社(JIS&T社)などが関係) - iDeCo商品の中でしか切り替えられないこと
- 保有商品の売却時期と入替商品の購入時期はズレが生じること
- 保有商品によっては売却に手数料(信託財産留保額)が生じること
楽天証券だけでiDeCoのサービス提供が完結しないこと
これは少しわかりにくいため、下記の図をご覧ください。
〇 楽天証券は、加入者に商品情報を提供し、申込やどの商品で運用するかの指図を受けます。
〇 JIS&T社は、加入者ごとの資産残高の記録管理と運用指図のとりまとめを行います。
〇 国民年金基金連合会は、加入者から掛金の支払いを受けとります。
このため、スイッチングによって商品を入れ替える場合、(楽天証券のページを経由して)JIS&T社のサイトで変更をすることになります。
あまり効率的ではないように思えますが、大人の事情でやむを得ないのでしょう、きっと。
iDeCo商品の中でしか切り替えられないこと
楽天証券では、2023年8月現在 32本の商品があります。
楽天証券以外の金融機関に移管しない限り、これらの商品の中からスイッチング後の商品を選ぶことになります。
(ちなみに、楽天証券から他の金融機関または企業型確定拠出年金に移換する際は、手数料 4,400円が発生します。)
まぁ、この商品ラインナップと「運営管理手数料がゼロ円」であることを考えれば、素直に楽天証券内で切り替える方が良いと思われます。
保有商品の売却時期と入替商品の購入時期はズレが生じること
楽天証券の場合、JIS&T社によるスイッチングとなります。その取扱いは以下の通りです。
スイッチング受付の締切時刻は営業日の午前10時です。
締切時刻より前のお申込みは当日のお取扱いとなります。
締切時刻以降、または営業日以外のお申込みは翌営業日のお取扱いとなります。
(締切時刻前であれば、スイッチングのお申込みの取消が可能です。)
その流れは次のようになります。
後ほど実際の画像で見ていただきますが、スイッチング手続きを進める過程で売却期日と購入期日がわかるようになっています。
保有商品によっては売却手数料が生じること
これは、楽天証券の問題ではなく、投資信託商品に「信託財産留保額」が設定されているかどうかになります。
(そもそも信託財産留保額が生じる投信をラインナップに加えたのが問題と言えなくもないのですが。)
信託財産留保額が設定されている3つの投信とその率は下記のとおりです。
投信名 | 信託財産留保額 |
【海外債券】みずほUSハイイールドファンド<DC年金> | 0.2% |
【国内外株式】セゾン資産形成の達人ファンド | 0.1% |
【バランス型】セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド | 0.1% |
これらの商品をスイッチングしようとする際は、別途「信託財産留保額」の費用がかかる点にご注意ください。
→ 次ページでは、実際のスイッチング手続き