FP資格・資産形成・ヘルスケアなど 生活の質を高める情報をお届け

「積立NISA」は40年のビッグウェーブなのか?

平成29年度与党税制改正大綱(以下「与党大綱」 → 全文はこちら)が発表されました。
「積立NISA」(与党大綱でこうなっています。)についても直前の報道どおり、年間40万円までは20年間非課税で運用できる制度改正が盛り込まれました。
この中でいくつか気になるところをピックアップしてみました。

5a6942fe4a19f4edefa1274dbcc942d2_s

【この投稿以前の関連投稿】

適用される期間は?

与党大綱20ページに次の記述があります。

 …非課税口座に累積投資勘定を設けた日から同日の属する年の1 月1 日以後20 年を経過する日までの間に支払を受けるべき累積投資勘定に係る株式投資信託…の配当等…については、所得税及び個人住民税を課さない。
 …非課税口座に累積投資勘定を設けた日から同日の属する年の1 月1 日以後20 年を経過する日までの間にその累積投資勘定に係る公募等株式投資信託の受益権の譲渡をした場合には、その譲渡による譲渡所得等については、所得税及び個人住民税を課さない。また、当該公募等株式投資信託の受益権の譲渡による損失金額は、所得税及び個人住民税に関する法令の規定の適用上、ないものとみなす。

この累積投資勘定の項目が20年という根拠になります。

となると開始時期は29年度(H29.4~30.3)の最初の「1月1日」が平成30年(2018年)1月1日ですから、素直に読めばそこから開始になるんでしょう。
まだ、だいぶ先だなぁという印象です。
40歳代に足を突っ込んでいる身としては、資産運用期間を少しでも確保するため、なるべく早く導入して欲しいと切実に思います。

6766837495_aa3f94c5a1_o

また、僕が注目しているのが40万円を投資できる期間です。
与党大綱20~21ページに次の記述があります。

…累積投資勘定(当該契約に基づき非課税口座で管理される公募等株式投資信託の受益権を他の取引に関する記録と区分して行うための勘定で、平成30 年から平成49 年までの各年のうち現行の非課税管理勘定が設定される年以外の年に設けられるものをいう。)において行うこと。

先ほどと同じ累積投資勘定について「平成30年から平成49年(注:2018~2037年)までの各年のうち…」という記載があります。

この平成49年について、次の3つのパターンを考えることができます。

①運用期間の期限を示している 
 2037年までで制度打ち止め=2年目以降の投資は運用期間が1年ずつ短くなる
②運用期間の現時点での期限を示している 
 2037年までで制度打ち止め・その後はロールオーバー制度導入を検討=2年目以降の投資も運用期間は実質担保
③投資可能期間を示している 
 2037年まで40万円を投資できる=現NISAより投資可能期間が大幅延長 

①と②は前段の20年と矛盾するので考えにくいかなぁと思います。
もし③だったら、全体の投資期間は最大で投資期間20年×運用期間20年=40年と大幅な制度拡充です。
積立NISAは個人型確定拠出年金(iDeCo)と合わせ、特に若い方にとって有効な老後資産の形成につながる可能性がでてきました。

hand-105725_640

購入できる商品は何?

与党大綱21ページに次の記述があります。

当該累積投資勘定には、累積投資に適した商品性を有するものとして次に掲げる事項が投資信託約款に記載されている公募等株式投資信託の受益権のみを受け入れること。
信託財産は、複数の銘柄の有価証券又は複数の種類の特定資産に対して分散投資をして運用を行い、かつ、一定の場合を除いてデリバティブ取引への投資による運用を行わないこと。

端的に言えば、「リスクを分散させた現物株式などの投資信託に投資しなさい」ということでしょう。
これも20年という投資期間を前提にすれば、とてもまっとうなところです。
この株式投資信託に、現NISAでは投資が認められている「上場投資信託(ETF)」が入るかどうかは不明です。
また、現NISAでは認められている個別株については、積立NISAで保有するのは厳しくなりそうですね。

bd75a9969fc0905fa90037309d2bbb1a_s 

さらに言えば、仮にETFが認められたとして、積立NISAでETFを使うのが有利なのか?という疑問があります。
投資期間が長期にわたり、途中売却した場合に投資枠が戻らないケースを想定してみましょう。
その場合、原資産を頻繁に売買したり配当金を受け取るなどしてNISA口座の外に出すよりも、原資産を保有し続けて配当金等を再投資することで得られる複利効果を狙う方が一般的には効果的です。
ETFのメリットの一つとして「信託報酬の安さ」がありますが、現在、通常の投資信託との差はずいぶん無くなってきました。
今後、この積立NISAが普及する過程で、確定拠出年金のように専用商品が開発されれば、むしろ積極的にETFを選ぶ理由は減ってくるかも知れません。

27411093_02b6fd4156_z

まとめ

以上、与党大綱に基づいて色々と書いてみました。
最終的には、年末に向けて政府の税制改正大綱が閣議決定され、正式に決定することになります。
まだこれから、水面下で金融庁と財務省の綱引きは続くのではと思われます。

先日の投稿で、当初の金融庁案に比べて投資限度額が減額されたため、新しい積立NISAを「さざ波」と表現しました。
が、全体の投資期間が40年と大幅拡充されれば、現NISAをはるかに上回る本格的な老後資産形成の「ビッグウェーブ」になるかもしれません。
もしそうなら嬉しい誤算です。
是非、実現して欲しいですね。 

 

当ブログに関する質問やお問い合わせはこちらからどうぞ

最新情報をチェックしよう!